データセンター用高効率空冷パッケージ空調機の共同開発について
-前面吹出方式の採用で空調システム全体の電力低消費化に貢献-
2013年04月25日
株式会社関電エネルギーソリューション
高砂熱学工業株式会社
株式会社東芝
東芝キヤリア株式会社
株式会社関電エネルギーソリューション(本社:大阪市北区、代表取締役社長:田中 宏毅、以下Kenes)、高砂熱学工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大内 厚、以下高砂熱学工業)、株式会社東芝(本社:東京都港区、執行役社長:佐々木 則夫、以下東芝)および、東芝キヤリア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:井上 章、以下東芝キヤリア)の4社は、データセンター用前面吹出タイプ高効率空冷パッケージ空調機を共同開発しました。本空調機は東芝キヤリアが製造を担当し、Kenesのデータセンター空調システム「Muro brezza ムーロブレッザ(イタリア語の造語)」、高砂熱学工業のデータセンター空調システム「IDC-SFLOW®アイデーシーエスフロー」、東芝の「モジュール型データセンター」の空調システムにそれぞれ適用し、5月から各社が提案・販売活動を開始します。
今回開発したパッケージ空調機は、従来の下吹出し方式と違い、背面吸込み前面吹出し方式を採用しています。フリーアクセスフロアを利用した床下空調流路の圧力損失を無くし、ストレートなサーバー室への空調流路が可能であり、屋外ユニットにおける空気搬送動力(消費電力)を約1/3に低減します。また、モジュール設置型パッケージ空調機であるため、サーバの段階的な増設に対し、機動的な空調機の増設が可能です。データセンター運用開始から中長期的なエネルギー効率化に寄与するとともに、従来の床吹出し空調方式での床下スペースを不要とすることで、階高の低い通常オフィスビルでのデータセンター構築にも対応できるようになります。屋外機には高効率インバータツインロータリー圧縮機を搭載し、屋外機と屋内機のファンには、高効率DCモータを採用するなど、さらなる高効率化を図りました。サーバ室への直接送風によって空調機供給温度を上げる運用とすることも可能で、業界最高クラスのCOP 7.4*1を実現しました。また、フリークーリング仕様も別途用意し、外気低温時のフリークーリング*2運転では圧縮機停止による高効率運転のほか、春や秋の中間期にはインバータツインロータリー圧縮機との最適併用運転を行うことが可能となり、データセンター運用開始から年間を通して低いPUE値*3のシステムとなります。
なお、本製品は、5月8日から10日に東京ビックサイトで開催される「第5回 データセンター構築運用展」において、高砂熱学工業ブースにてIDC-SFLOW®用空調機の空冷バリエーションとして実機の展示を予定しています。
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開発の背景
昨今の社会構造のICT化に伴い、データセンターの需要が急速に高まってきており、データ処理量の増加、通信インフラの通信速度向上、サーバルームに収容するIT機器の性能向上・集約化に向けた高密度かつ高負荷への対応が必要です。そのため、それに伴う冷却に要するエネルギーの増加に対応する空調システムの高効率化、省エネ化のニーズがますます高まっています。
また、ビッグデータ時代に向けて、新規データセンター建設のほか、オフィスビルなどの既存施設を有効利用したデータセンターの構築や更新の増加が見込まれます。これらの動向を踏まえ、4社は共同で高効率かつ設置の容易な前面吹出方式空冷パッケージ空調機を開発しました。
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